アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎について

 鼻アレルギーは喘息やアトピー性皮膚炎と同様にアトピー体質が素因となって、そこにハウスダスト・ダニ・動物上皮(イヌ、ネコなど)・昆虫類(ガ、ゴキブリ、ユスリカなど)・カビ類・花粉(スギ、ハンノキ、シラカバ、イネ科、キク科など)などが抗原として侵入すると発症します。

 症状として、鼻詰まり・鼻汁・くしゃみの3つが特徴的で、花粉症の場合はこれに眼のかゆみが加わります。花粉以外は、ほぼ1年を通して症状のある通年性アレルギーであり、花粉症は開花時期により発症時期も異なります。また、発症には温度・湿度・時間(朝、昼、晩)の変化も大きく影響します。

 鼻アレルギーというものは体質的な疾患であり、かなりの頻度で家族性がみられます。また、同じアトピー性疾患である喘息やアトピー性皮膚炎と異なり幼児期に発症することは少ないとされてきましたが、最近は乳幼児からの発症も多くなっています。成人になっても症状が軽減することはほとんどありません。通年性抗原が原因の場合、放置すると副鼻腔炎を併発することが多くなり、喘息の場合は、好酸球性副鼻腔炎という難治性の疾患になることがあります。また、スギ花粉症しかないと訴える患者さんが多いのですが、実際にスギだけが原因のことは稀です。


アレルギー性鼻炎の治療

 アレルギー性鼻炎治療は、薬剤による対症療法、免疫療法(舌下、注射等)、外科的治療の大きく3つに分けることができます。しかし、スギ花粉症の場合は薬剤による対処療法が中心んとなります。

 ダニに対する舌下免疫療法の場合80〜95%の有効率ですが、スギ(注射)(舌下免疫はアナフィラキシーの危険性を考慮して、当院では行っていまい)の場合には20〜40%の有効率とされています。

スギ単独の場合は症状期間も短く、免疫療法の有効率も低いことより、本院では免疫療法を勧めていません。

 アレルギー性鼻炎に対する外科的治療には、鼻腔粘膜をラジオ波で凝固したり、トリクロール酢酸という薬物で腐食させたり、レーザーで焼灼する方法などがあります。ラジオ波凝固療法が鼻閉期間も短く、副反応も少なく効果持続期間も長いことより、外科的治療では最も有効と考えます。


治療に伴う副作用・副反応

(1)薬剤の副作用は薬剤の説明書をお読み下さい。

(2)ダニ舌下免疫療法の場合、軽い副反応が起きることがありますが、安全性の高い治療法です。

カビやスギ花粉症の注射減感作療法はアナフィラキシーショックと言う重大な副作用がありますが、これを予防するために、注射の15分後に必ず反応を確認します。また、次回の注射前にも、前回の注射の反応を問診します。このことをしっかりと行っていれば、99%ショックは起こしません。

(3)非特異的減感作療法は、血清製剤のヒスタグロビンを使用しますが、注射が痛いという問題以外は、ほとんど副作用はありません。(使用する時は説明書をお渡しします)

(4)外科的治療のラジオ波や炭酸ガスレーザー等による鼻腔粘膜焼灼術は、ごく少量の術後出血や少しの疼痛を起こす患者酸があるのみです。


当院で行なっている治療

アレルゲン免疫療法
(ダニ舌下免疫)
(スギ注射減感作)
※6歳才から可能
ダニ舌下免疫療法は、やや有効を含めると1年で95%の有効性があり、安全性も高く、体質改善にはベストな治療法です。詳細は別冊の資料をお読み下さい。不明な点はお気軽にお尋ねください。
スギ舌下免疫療法もありますが、アナフィラキシーの危険性が高く、腎不全そして透析になったケースもあり、当院では行っていません。また、ダニの免疫療法を行うことによって、花粉症の症状もあまり出なくなります。よって、スギに対する免疫療法はお勧めしません。
それでもスギに対して体質改善を希望される場合は、アナフィラキシーへの対処のことを考えると、院内で行うスギ注射減感作療法があります。どうしてもスギ直接の体質改善を希望される場合、詳しいことは医師にお尋ねください。
非特異的減感作療法
(ヒスタグロビン)
特定の原因がつかめない時、原因が非常に多すぎる時は特殊な薬剤を使用して1回/2週にて注射を行います。持続性効果については明確ではないが、症状の軽減には非常に有効です。1回の注射でも2週間程度は有効です。
対症療法鼻処置・薬物療法(内服、点鼻剤)・ネブライザーなどが中心となるが、免疫療法中でも症状がある時は、この治療が必要です。また、副鼻腔炎(俗にいう蓄膿症)のあるときには、特に通院治療が必要です。
★内服薬★
・ 抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤
常時飲んでいただく薬です。抗ヒスタミンで眠気のある場合は、車の運転は控えて下さい。また次回診察時に必ず申し出て下さい。症状に応じて自己コントロールして下さい。
・頓服(ひどい時)のセレスタミン
この薬は眠くなるのを覚悟で飲んで下さい。半日は車の運転はしないでください。連続内服すると、血小板減少により、出血傾向が起きることがあります。必ず頓用内服して下さい。
★点鼻薬★
ナゾネックス・アラミスト・エリザス等のステロイド点鼻薬です。
1日夜または朝に1回、1回(1-2)噴霧で使用して下さい。
★点眼薬★
リザベン点眼(予防投与の場合、2回/日)、パタノール(痒い時適時)、アレジオン点眼(コンタクトも可)等を処方しています。耳鼻科では薬効の強くない点眼薬しか処方していません。
処方の点眼薬は症状のあるときは、通常1日3〜4回迄で使用して下さい。効果がなければ、早めに眼科を受診して下さい。
外科的治療          アレルギー性鼻炎で特に鼻閉、鼻汁過多の強い方。
妊娠希望などで薬が飲めない方、又は薬を減らしたい方。
原則12歳以上の方(年齢は場合によりご相談します)
外来にて局所麻酔にて行ないます。(日帰り手術です)
麻酔を浸したガーゼを用いて、鼻内を15分ほど表面麻酔します。
ラジオ波凝固機を使用して、内視鏡下にて粘膜下組織を凝固します。片側約3分前後です。
(詳細は手術説明書をお渡しします)
希望される場合には、電話等で予約して下さい。

本説明でご不明な点や、ご質問がございましたら、お気軽に医師及び看護師までお尋ね下さい。