下鼻甲介粘膜ラジオ波凝固術

ellman-Japan
Dual EMC

鼻腔用探針

ラジオ波凝固術とは、鼻甲介粘膜下に針のようなプローブを粘膜下に穿入し、粘膜下を焼くことにより、鼻粘膜の腫脹を抑えて鼻閉を改善し、花粉などの抗原(アレルギー反応の原因物質)が粘膜についてもアレルギー反応をおきにくくする手術です。血液検査でアレルギー反応がない血管運動性鼻炎(温度や湿度の違いに反応する鼻炎)や肥厚性鼻炎にも威力を発揮します。

 従来行われている炭酸ガスレーザーやアルゴンプラズマガスレーザーによる焼灼術、トリクロール酢酸などの薬液を用いる治療は、いずれも鼻粘膜の表面を変性させることでアレルギー反応を起こしづらくする治療です。深い部位へは直接作用しないため、すでに肥大した粘膜下組織を減量させることはできません。サージトロン・ラジオ波による凝固ならば、表面と粘膜下組織へ作用し、アレルギーの反応とともに空気の通り道を広げるため鼻閉の改善にも期待できます。

<適応>

 アレルギー性鼻炎で特に鼻閉、鼻汁過多の強い方。

 妊娠希望などで薬が飲めない方、又は薬を減らしたい方。

 原則15歳以上の方(年齢は場合によりご相談します)

<方法>

 外来にて局所麻酔にて行ないます。(日帰り手術です)

 麻酔を浸したガーゼを用いて、鼻内を15分ほど表面麻酔します。

 ラジオ波凝固機を使用して、内視鏡下にて粘膜下組織を凝固します。片側約3分前後です。

<術前・術後の注意及び合併症>

(1)手術予定時間の2時間前より、飲食は避けてください。

(2)出血:術後1~3日ほど鼻出血が見られることがあるます。大量に出ることはほとんどありません。しばらく椅子に座るなどして安静にされるとすぐに(5分くらいで)止まります。

激しく出血される場合はすぐに医院にご連絡ください。

また、手術当日は入浴・飲酒・激しい運動等は出血を助長する可能性がありますので避けてください。

(3)痛み:ときに『うずく』ような痛みを感じることがありますので、鎮痛剤を頓用で服用してください。

(4)鼻閉:手術後、一時的に鼻粘膜が反応性に腫脹するために、鼻詰まりが増悪します。そのため、術後に点鼻液や内服薬を併用します。眠気を催すこともありますので、車の運転や機械の操作などにはご注意ください。

(5)翌日はかならず再診してください。

<効果>

 70~80%の改善率が認められます。特に鼻閉に関しては90%近い効果が得られます。1回の手術で効果が不十分は場合は追加手術を行う場合もあります。

ラジオ波凝固の治療効果は永続的に続くものではありません。効果の持続時間も人によって異なります。個人差はありますが、半年~2年経つと、効果が薄れてくる場合がありますが、再凝固で効果を維持することができます。

<その他>

 副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症がある場合にはラジオ波凝固だけでは効果がなく、別の手術をお勧めする場合もあります。