いびき・睡眠時無呼吸外来

睡眠時無呼吸とは?

睡眠時無呼吸(通称SAS=サス)は、睡眠中に、おおきないびきをかき、呼吸が何度も止まってしまう状態(無呼吸)です。無呼吸が続くと体の酸素濃度が低下し、様々な問題を引き起こします。

無呼吸の状態が10秒以上続くことが特徴で、以下のような症状が現れます。

主な症状

寝ているとき

  • いびきが大きい
  • 呼吸がとまる
  • 息苦しそうな顔
  • 何度も目が覚める、熟睡できない
  • 夜間頻尿
  • 寝汗

■ 起きたとき               ■ 日中

  • 目覚めが悪い
  • だるい
  • 熟眠感がない
  • 頭痛
  • 口が乾く
  • 眠気があり、会議や運転中など寝てはいけないときに眠くなる
  • 体がだるい
  • 集中できない
  • 気分の落ち込み

睡眠時無呼吸を放置したときのリスク

  • 高血圧2倍)や心筋梗塞心不全などの心臓病2~3倍
  • 脳卒中3.5倍
  • 糖尿病2倍以上
  • 交通事故2.5倍
  • 夜間突然死2.5倍
  • 認知障害
  • 癌になりやすい(4倍)

睡眠時無呼吸になりやすい人

  • 肥満
  • 顎が小さい
  • 首が短い
  • 舌が大きい

睡眠時無呼吸の検査

自宅での簡易検査

睡眠中に機器を装着し、無呼吸や低呼吸、酸素濃度、心拍数などを測定します。無呼吸低呼吸指数:AHIの数値によって、精査・治療方針が決定します。

精密検査PSG:ポリソムノグラフィー)
さらに詳しく睡眠中の脳波や筋電図、呼吸状態をモニタリングします。無呼吸低呼吸指数:AHIの数値によって治療方針を決定します。

これまでは他院で入院しての精査を依頼していましたが、2024年11月より在宅での精密検査が可能になりました。これにより、仕事を休んだり、高い入院費を払う必要がなくなりました(症例によっては、入院精査を依頼することもあります)。

睡眠時無呼吸の治療

■ダイエット、禁酒、禁煙

  • 肥満は、睡眠時無呼吸のリスクと重症になる最大の問題です。減量は上気道の閉塞を軽減させます。
  • 飲酒は舌根を沈下させ、無呼吸のリスクを増大させます。肥満がない人も飲酒で無呼吸が起こる可能性があります。
  • 喫煙者は非喫煙者と比べて4倍以上無呼吸を発症します。過去喫煙者は非喫煙者と無呼吸リスクが同じことが分かっており、禁煙により無呼吸リスクを軽減できます。

■マウスピース

  専門歯科へ紹介します。マウスピースにより気道を確保します。

■CPAP(シーパップ)療法

睡眠時にマスクを装着し、気道を広げるための空気を送り込む治療法です。
当院では大手であるフィリップス、帝人、フクダライフテックのCPAP機器を導入しています。1つのメーカー機器が合わなくても他社との比較が可能です。

費用:1日130円〜(3割保険の場合)

※注意 保険でCPAPを使用するためには、原則1ヶ月に1回の診察が必要です。CPAPの使用が安定した場合は、3ヶ月に1回の診察で、間の2ヶ月はオンライン診療も可能です。

※もともとCPAPを使用しており転居される方

転居等で当院近隣へお越しの際も、上記3社であればもともと使用していたCPAP機器をそのまま継続することが可能です(必ず当院受診前に各社サポートセンターへ転居の旨を連絡してください)。

■口呼吸を改善する治療

  • アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、鼻中隔弯曲症→まずは薬物治療を行い、改善が悪ければ手術加療(当院で日帰り手術が可能です)
  • のどを広げる手術(口蓋扁桃摘出術、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)→他院へ紹介(約1週間の入院治療)

睡眠時無呼吸の診断と治療アルゴリズム(JCS 2023 Guideline on Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Diseaseより引用改変)