アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)とは

アレルギー性鼻炎に対する免疫療法で、アレルゲン(抗原)を毎日少しずつ接種することで、体質が変わり(免疫寛容)、アレルギーに反応しなくなっていく治療です。

従来はアレルゲンを皮下に少量注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、痛みを伴うため脱落者も多かったのが問題でした。近年ではアレルゲンタブレットを舌下に投与する「舌下免疫療法」が主流となりました。注射に伴う痛みを回避でき、通院の負担がなくなり自宅で服用できるようになりました。

当院では、開院当初より『スギ』、『ダニ』に対する皮下免疫療法を行なってきました。舌下免疫療法が登場してからは『ダニ』、『スギ』に対する免疫療法を舌下投与へ変更しています。

『スギ』に対する皮下免疫療法は希望に合わせて継続しています。

アレルギー免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法で保険適応です。

詳しくは医師へ直接ご相談ください。

「舌下免疫療法」は、「スギ花粉症」または「ダニアレルギー性鼻炎」と診断された患者さんを対象としています。

必ず血液検査で確定診断を行う必要があります。他院で検査を行った場合は、結果をご持参ください。

・アレルゲンのタブレットを毎日1回、1.2分程度舌下で溶けるのを待つだけです。初回投与は副反応の確認のため必ず院内で行う必要があります。開始ご希望の方は、少し時間に余裕を持ってお越しください。

・ダニ舌下免疫療法の場合、当院では抗原量の少ないミティキュアから始めて、安定後(だいたい1年後)抗原量の多い アシテアに変更しています。トータルで3,4年経った方は、いったん終了するか継続するか相談します。

ダニとスギ舌下錠の同時併用(Dual SLIT:ダニとスギの舌下を併用することも可能です。どちらか1つを開始し、1ヶ月後に問題なければもう一方を開始します。副反応がある方や心配な方は、朝夕に分けて行いますが、5分程度間隔をあければ、ほぼ同時に投与が可能です。

継続期間3年以上の継続を推奨しています。終了後数年は効果が持続するとされています。5年継続すると、再度アレルギー症状が出現し始めて舌下免疫治療を再開する場合に効果の回復が早いとされています。

効果

アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎に対する唯一の根治的治療です。

70〜80%の方に効果があります。

スギでは初めて次のシーズンから効果が期待でき、ダニでは数ヶ月で効果がでてきます。

その他、舌下免疫療法を行うことで、他のアレルギーになりにくくなるといった報告や喘息の発症を防いだり、喘息の悪化を防ぎ、治療コントロールを良好にするといったことも言われています。

副反応・注意点

一般に強い副作用の出現はまれで、一過性の口腔症状や耳のかゆみなどが主なものです。副反応軽減のため、舌下免疫療法開始後しばらくは、抗アレルギー薬の併用を行います。特にコントロール不良の喘息やアトピー性皮膚炎がある方は注意が必要です。

・全身性反応 0.056%(皮下注射より少ない)
主に喘息・消化器症状、口蓋垂浮腫、蕁麻疹

・重大な副作用(死亡例なし)

  • ショック
  • アナフィラキシー(1億回に1回の頻度)

以下の方は使用できません

  • 重症喘息
  • 心疾患
  • βブロッカー使用者
  • 悪性疾患
  • 免疫不全

妊娠での継続は可能ですが、妊娠中に開始はしません。

舌下免疫療法Q&A

こちらのページを参照ください。(鳥居薬品・アレルギー免疫療法専門サイト)